2008/12/21　いよいよ超絶祭の日がやってきた！



超絶祭とはサークル有志によりリストの「超絶技巧練習曲S.139」を12曲全曲弾こうという，プロを除いては全国，いや全世界初の取り組みではなかろうか…（偉そうだが実際そうなのだと思う）
２年前の発案当初から１年，いまだ5,7,9番の演奏者が決まらずに計画は暗礁に乗り上げていた…
（この段階でおれもかなり諦めていましたが…）
しかし，新入部員等の助力を得て，ついにそれが実現したのだ！！！

Transcendental semplice


この夢のような（人によっては悪夢のような）演奏会のプログラムは以下…

01. 超絶技巧練習曲S.139より 第 1番「前奏曲」　　　リスト 　ぬ
02. 超絶技巧練習曲S.139より 第 2番　　　　　　　　リスト 　鶏
03. 超絶技巧練習曲S.139より 第 3番「風景」　　　　リスト 　シュレディンガー
04. 超絶技巧練習曲S.139より 第 4番「マゼッパ」　　リスト 　Ｊ．Ｍ
05. 超絶技巧練習曲S.139より 第 5番「鬼火」　　　　リスト 　ミッキー
06. 超絶技巧練習曲S.139より 第 6番「幻影」　　　　リスト 　Ｊ．Ｍ
07. 超絶技巧練習曲S.139より 第 7番「英雄」　　　　リスト 　Ｔ．Ｋ
08. 超絶技巧練習曲S.139より 第 8番「狩」　　　　　リスト 　レモン
09. 超絶技巧練習曲S.139より 第 9番「回想」　　　　リスト 　ミッキー
10. 超絶技巧練習曲S.139より 第10番　　　　　　　　リスト 　３vol
11. 超絶技巧練習曲S.139より 第11番「夕べの調べ」　リスト 　ぬ
12. 超絶技巧練習曲S.139より 第12番「雪嵐」　　　　リスト 　Ｊ．Ｍ

まあ，曲の配分が明らかにおかしいのはおいておいて，演奏会が始まった…



自分が呼んだ学科の友人が誰も来ないというアクシデントに見舞われたものの，そこそこ盛況であったと思う…

開催の挨拶，「12曲の中で何か1つ好きな曲を見つけていただければ…」的な挨拶をした気がする，
そこそこ考えた結果これに行き着いたがまあまあな挨拶ではなかっただろうか…
会場の照明についてはみんなで話し合った結果，つけたままやることにしました…

第1番「前奏曲」から順調に演奏が進む，実は1～3番まで3曲は合計しても10分かからずに演奏が終わるため，
文字通りあっという間に出番が回ってきた，予想してたが早すぎる…

と書くとあまりにもお粗末なため感想を書いていきます…

[0回]

第1番「前奏曲」から始まったこの演奏会…

短いとはいえかなりよく出来てたと思うんですがどうでしょう，ぬ…


第2番の鶏！

細部を弾き飛ばすおれとは違い堅実に音を拾っていく，この曲は実はかなりやられます…
最終ページの和音を余裕で弾けるのは彼の手の大きさならではだろう…
これも二度と練習したくない曲の部類に入るくらい弾きづらい…


第3番「風景」！

聴いてはいたんですが，正直マゼッパが気が気ではなくそれどころではなかったが，
シュレディンガーは滞りなく終始きれいで丁寧な演奏だったように思える…


緊張の中，第4番「マゼッパ」
ｷﾀ━━━━(ﾟ∀ﾟ)━━━━ !!!!!

ユゴーの詩の内容とかを説明したかったが緊張でそれどころではなかったので，あまり話をせずに弾いた…

第1主題，暴走こそしなかったがライヴ独特の雰囲気に押され，若干外し気味だった気がする，ううう…
オクターブ下降を経て第2主題，ここがかつてなく決まった！（と思う）落ち着いて和音を抑えそのまま緩除部へ…
この辺からニ短調への回帰はあまりよく覚えていないがあまり外さずに堅実にいけたと思う…
第3主題，かなりペダルを押さえて演奏，ちょっと外した気がするが練習しただけあってまあ上々…
次のつなぎの第4主題への駆け上がりのところがいまだに弾けないのだが，減速して対応，セーフ…
そして勝負の第4主題！ベレゾフスキーとは言わないが，ペダルを駆使しつつそこそこのスピードで進む，
結構中間音を外した気がしたが主旋律はまあ許容範囲であってたのでまあなんとか…

そんなこんなで今までの中では一番うまく演奏できただろう！
（今までが最悪にしても現時点でこれ以上の演奏をするのはたぶん無理）
ここで自分の出番が終わればどんなに幸せな気持ちだっただろうか（笑）


第5番「鬼火」の短いインターバルが入り…（この鬼火がかなり出来ててやばかったんですが）
鬼火はリハ時よりもスピードが上がっていて臨場感が伝わってきた，というか普通の人間には無理だろ…
演奏者はどう思っているか知らないが申し分ない演奏だったとおれは思う…（読むより聴け）


そして第6番「幻影」がやってきた…

前半はかなり堅実に行く，マゼッパが以外にも調子よく弾けたと思ったので


オクターブ連打下降で轟音を鳴らして
スピードアッーープ！！！

と思ったら気合入れすぎて右手が早くもダウンして，肝心のサビの部分でかなり支障が出ました，
このトラップに何度はまればわかるんだろうか，申し訳ございませんでした…
ただでさえ5分ほど前にマゼッパ弾いてるのだからもう少し大人になればよかったです…
途中からペースダウンで堅実演奏に戻る，まあ何度弾いても満足がいく演奏は難しいものです…
次から演奏するときはオクターブの部分では響きを重視して加減して弾こうかと思います…

演奏会で初演したときよりはよかったのでいいとしましょう…


新星Ｔ．Ｋにバトンを渡して第7番「英雄」，
だが英雄は人前でしゃべりなれていなかったようだ（笑）

この7番は細部まで練習したことはなかったのだが，彼はよく頑張ってくれた…
この曲は緩急がはっきりしていて楽譜からは急なアルペジオの部分が非常に弾きづらい印象を受けた…
その部分もよく弾けていて，後半のオクターブ部分ではカンパネラのようにもっと攻めるかと思ったんだが意外と堅実でたぶんそれがよかったと思う，おれもそうすればよかった（笑）


そしてレモンの第8番「狩」，
以前と若干アプローチが変わったような気がしないでもないが，難なく進んでいった…

最後の終わりの部分がなんだか一風変わっていたという印象を受けたがどうなんだろう？
追いコンは狩りで


第9番「回想」でミッキーの譜めくりを務めることに，聴けば聴くほどよさがわかる曲…

鬼火の練習あったのによくもまああの右手アルペジオがさらさら弾けるわと思った…
自分はアルペジオが非常に苦手で幻影ではかなり辛い思いをしたが，たぶんこの曲を弾いたとしても同様の苦戦を強いられるだろう，おつかれさまでした…
ピンチヒッター的な感じで今回2曲弾いてもらったがかなり助かった…


なんと第10番３volが恐るべき快演！！！

あんま練習してないとか言っておきながら本番では全盛期かそれ以上の演奏で，
正直追いコンでこれを弾こうと思っていたおれの計画はあっけなく打ち崩された…
あんな演奏されたらしばらく誰も弾けん，一番おいしいところを持っていったに違いない…


だがあえて言う…

「お前が1曲しか弾かないのはおかしい！！！」


で，第11番「夕べの調べ」に定評があるぬ，予想してなかったが譜めくり必要らしい（笑）

譜めくり必要とか言ってたので大丈夫かと思ったがしっかりツボを抑えて弾けていた…
毎回思うんだがこの11番って意外にファンが多くおいしい曲の部類に入ると思うんですが…

それだけ有名なので人前で弾きづらいです，今回のメンバーの中で5人演奏できるという…



いよいよ最後の12番「雪嵐」→「逝き嵐」

半音階がもう全く弾けなくなっていてしまい，正直今まででもかなりよくない部類の演奏でした…
謹んでお詫び申し上げます，練習が足りませんでした…


m(_ _)m

この曲は今まで一番演奏会で弾いている曲ですが，最後の追いコンで弾く必要があるようです…
これだけはこのままにして流してはならないと強く思いました…



何はともあれ今回の演奏会はある程度のクオリティをもって12曲が演奏されたと思います！
実現不可能と思われたこの企画，semplice史上でも文字通り「超絶な」演奏会となったことでしょう…
（越えることのないものではなく，むしろこれを越える企画が現れる事を願って…）

当初の予定では最後の挨拶で涙が流れる予定でしたが，涙腺のかたさに定評があるＪ．Ｍはそうはならず，
よくわからないことを淡々としゃべっていた気がします…（マイクあると良かったんですが）

本当は「偉業とは成し遂げて初めて偉業になる」という言葉を用意していたんですが雪嵐のショックで忘却…



何はともあれ無事演奏会は終了し，「偉業」を成し遂げたと個人的には思っております…
演奏会が終わるとなんだか今までの疲れがどっときて，飲み会のあとは家のコタツでそのままずっと寝てました…

聴きに来ていただいた方々，演奏してくれた人，本当にありがとうございました！
恐らくプロ以外の演奏会で超絶全曲を聴くことは人生で最初で最後だと思います…

個人的には今日はサークル6年目にして最大のイベントだっただろう…
これ以上の達成感はそうそうえられることはないと思われる



P.S.
飲み会では全員燃え尽きた状態であまり会話がなかった気がしたが，Ｔ．Ｋの20才誕生日会が盛大に行われた…
今まで19だったという事実にも驚きを隠せないが，これで飲み会で送還されても問題ないですね，新年会に期待…